妻と妹を連れての帰省 ~ 鍵がないと大騒動の末に、冗談のような結果に(2023年5月16日)
久しぶりに自分一人でなく、妹とともに帰省してきました。途中2日間は妻も東京から合流しての帰省。
普段は静かな我が実家も4人で滞在すると賑やかで、昔、父が生きていたころの雰囲気を思い出します。
さて、そうは言っても母親の状況、認知の進行を感じさせる出来事がありました。
4人でドライブしたときのこと。近くの国立公園にある温泉施設で素晴らしいお湯と食事を堪能。そして、私がレンタカーを運転し、妻を空港に見送りに。そして、その後、母、妹、そして私と3人で帰路についたころです。
途中、高速道に乗ったところで、急に後部座席にいる母が何やらアヤシイ動きを始めます。持っている大きなバッグをガサゴソと手を入れて何かを探している雰囲気です。
どうしたの?と妹が声をかけると、「自宅の鍵がない」とのこと。
あ!思い出しました。母が乗ってきたとき、なんだか「カタン」という固い音が聞こえてきたのを。
まさか……と思いながらも妹に「ねぇ、もしかして、ドアのポケットにあったりして……」と声をかけるとすぐに妹が見つけ出してくれます。
「あった!」
それにしてもなんで車のドアポケットなんかに鍵を置いたのだろう?母に尋ねてみると「そんなところに入れた覚えはないよ」との一点張り。
いや、でも、母親が乗り込んできたときにあの音がしたから、絶対に母が入れたはず。それとも偶然、そこに落ちたのか。
まぁ、いいや。見つかったのだから……。
ところが3分後、再び母がバッグをガサゴソと……。
「どうしたの?今度は何がないの?」
と尋ねると
「鍵がない!」。
え?
さっき、見つけたばかりでしょ。と言うのですが、その見つかった鍵を再びなくしたというのです。まさか……。
ドアポケットを再び見ますが、ありません。
そのうち母はよほど心配になったのか、シートベルトを外し、座席の下を見たり、車中をさがします。
高速道路を運転中だから、これはアブナイ。
「お母さん、いいから、ちょっと探すのはやめて。どこかで車を止めるから」と話すのですが、高速に乗ってしまった以上、次の出口までは運転しなければなりません。
ところが母親は探すのをやめません。さらにあろう事かドアの開閉ノブに手をかけて走行中の車のドアを開けようとするところで、さすがに命の危険を感じ「やめて!」と大声を上げ、母を制しました。
めったに大声を出さない息子の勢いに気圧されたのか、さすがに静かになります。
そのままどうにか走り続け、高速を降りてショッピングセンターの駐車場に車を止めて、3人での大捜索になりました。
が、鍵、バッグをひっくり返して中身を全部見ましたがどこにもありません。車の座席の下やシートの裏側、ありとあらゆるところを20分くらいかけて捜索したのですが、どこからも出てきません。
神隠しに遭ったよう!
これはあきらめるしかないな……。確か、合い鍵があったから、それを使おう!
と、再び車に乗り込もうとしたときに、気付いちゃったんです。
母親の左手の腕、腕時計とともに、きらりと光るものがあるのに……。
「お母さん、それ!」と腕を掴んでみると……。
そうです。鍵が。
冒頭の写真がそれです!
鍵には金色のゴム紐が付けられていました。そのゴム紐に手首を通しており、ちょうど、鍵が母親の上着の袖の部分に隠れた状態になっていたんです。自分で腕に鍵を通したはずですが、それもすぐに忘れたのでしょう。
それがわかった瞬間、妹も私も脱力でした。
いや、冗談のような話ですが、一時は身の危険を感じるようなアブナイ展開になっていたので、これは笑えないお話でした。
さて、この日以降、実は母親はとにかく鍵をなくす、なくす……。外出のたび、家を出る前に鍵を探し、そして、家に帰る前に鍵を探し……ということになっていくのです。
認知症というのは、本当に進行していく病気だと言うことがよくわかりました。
ただ、現在は身体の方は丈夫で、一人で外を出歩くことができるのだけは感謝ですが……。
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