いよいよ錯視(幻覚)が始まった!
マガジンラックが人の顔に見えるという不思議……
認知症の母。アルツハイマー型なので、徐々にそして着実に病状は進行してきます。ある意味、次はこうなるかな……と事前に予測が立てられるという意味では心の準備はできる病気ではあります。
母の場合、できることとできないことがかなりアンバランス。受け答えはきわめて普通。そして数字の計算も得意。でも、10秒たつと記憶は消えています。ですから、もはやヘルパーさんの手助けなしには日常生活を送ることは不可能になっています。
さて、そんな母。
次は何が起きるかな……と思っていたのですが……。
ある日、帰省している我々(私と妹)とダイニングテーブルで一緒に食事をしている最中のこと。
母がしきりと不思議そうな表情でテレビの横を見ています。
どうしたのかな……と不審に思ったのですが、そのまま様子をみていたら、こちらの表情に気付いたのか、母がこう言いました。
「ねぇ、あのテレビの横、あれ、人の顔に見えない?」
ん?
見ると木製のマガジンラックが置かれています。そのことを指しているようです。
うーん、顔には見えないけど……
「雑誌立て(マガジンラック)だよ」と応えると、母が「そう、人があそこにいるわけないものね」と、安心したような表情で答が返ってきます。
数日して、再び、「ねぇ、あそこ、人の顔に見えない」と再び母。
「いや、雑誌立てだよ」と答えたところ、今回も母は納得した様子。
どうやら、幻覚の一種、錯視が始まったようです。本来、錯視や幻視は「レビー小体型認知症」に特徴的な症状だそうで、アルツハイマー型ではそんなに多くない症状なのだそう。なので、これは事前に予測していませんでした。
こうして、個人個人で、また出てくる症状が違うというのが、実際の病状なのでしょうね。
ただ、母の場合、我々が説明してすぐに納得できるようなので、さほど深刻ではないことを祈ります。
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